『目やに』の量が多い、『涙』が溜まるのは病気のせいかもしれません。
左右両方の目をチェックし、愛犬の変化に気付いてあげましょう。サインを見逃さないよう、こまめに健康管理し、異常の早期発見を心掛けて、速やかに獣医師に看てもらいましょう。

■眼疾患!?予防するためのチェックポイント
角膜(黒目の部分)に白っぽい傷や不自然な“くぼみ”等がある。
<考えられる病気>角膜炎、乾性角結膜炎、眼瞼内反症

白目が充血している。
<考えられる病気>結膜炎、乾性角結膜炎、眼瞼内反症、眼瞼外反症、瞬膜腺腫

まぶたが腫れている。もしくは緑が赤くなっている。
<考えられる病気>眼瞼炎

目の周辺の毛が変色している・涙が多い
<考えられる病気>流涙症

目がシュボシュボしている。もしくは細める。
<考えられる病気>眼瞼内反症、眼瞼外反症

■その他の恐ろしい目の病気

緑内障
<原因>
緑内障をひきおこすのは「高眼圧」が原因です。
緑内障は、白内障と並んで、犬もネコも人間もかかりやすい眼病の代表です。
不幸なことに、適切な手術などの治療で視力が回復する白内障とちがい、緑内障になれば、いったん失った視野や視力はどんな治療でも回復不可能。 何よりも早期発見・早期治療が求められる怖い病気です。
特に、眼球の飛び出た小型犬は要注意です。すり傷やひっかき傷などによって、虹彩や毛様体などの「ぶどう膜」に炎症がおこる確率も高く、 そのような炎症によって「高眼圧」になり、さらに緑内障にいたることも少なくありません。
緑内障の一歩前である「高眼圧」になれば、眼の疲れやめまい、頭痛、吐き気などになりますが、飼い主に訴えることは少ないです。
幾分か見えているかぎりはいつも通りに駆け回っていることが多く、そのために発見が遅れ、かなり症状が進んで眼がしょぼつき、 食欲が落ち、さらに失明状態になって動物病院へ連れてこられるケースが少なくないです。
急性緑内障なら、眼圧が急激に上がって角膜が濁りだし、わずか数日で失明することもあります。
何よりもむずかしいのが「早期発見」である。ことに「高眼圧」は、シーズーやパグ、マルチーズなど眼が大きく飛び出し気味の小型犬に多いため、 それらの犬種と暮らす飼い主は定期的に眼圧検査を受けて、眼圧の状態を把握し、必要なら、眼圧をコントロールする治療を受けることが大事です。

白内障
<原因>
外傷性、糖尿病性老齢性などが原因として挙げられます。
白内障は、水晶体(レンズ)が白くにごってしまう病気で、光が網膜に達しにくくなるため見えにくくなってしまう病気です。 痛みもなく徐々にくるので、飼い主さんは気がつきにくいです。 犬の場合のほとんどが、程度の差はあれ、この障害を起こします。 少しずつ視力が落ちるので、夜の散歩の時など、物にぶつかりやすくなったら要注意です。 白い濁りを取り除くことはできませんが、進行を抑えることが大事です。とにかく初期症状のときに気がつくことが重要です。

角膜炎
<原因>
ケンカ傷などの外傷から起きたり、細菌が付着したり、結膜炎が悪化して起こったりします。 手遅れになると、角膜に穴があいて中身が飛び出して来る事があります(角膜穿孔)。
原因となるものを、まず取り除きましょう。毛が原因なら毛を、シャンプーなどの目に入ったものが原因ならよく洗い流しましょう。 ウィルスや細菌感染が原因の場合は、抗生物質入りの目薬や眼軟膏などで治療します。 場合によっては外科的に処置を行います。

流涙症(涙やけ)
<原因>
涙管がつまる。あふれた涙は被毛に付着し、赤茶色に変色します(涙やけ)。 まめに手入れをしないと、結膜炎などを引き起こしてしまう可能性もあります。 こまめに顔を拭いてあげて、手入れしましょう。

瞬膜腺脱出(チェリーアイ)
<原因>
遺伝的な要因が強く、先天的に瞬膜腺を正常な場所に収めておく結合組織が損している場合や、外傷などに続発して米粒~あずき大の赤い物が目の内側に飛び出てきてしまう病気です。 原因としては、遺伝的な要因が強く、先天的に瞬膜腺を正常な場所に収めておく結合組織が欠損している場合や、外傷などに続発して起こってきます。 治療は、手術しかありません。この病気も、早めの処置がその後のワンちゃんの健康を左右します。
症状の起きやすい犬種
アメリカンコッカースパニエル、ボストンテリア、ビーグル、バセットハウンドなど

乾性角結膜炎(ドライアイ)
<原因>
先天的に涙の産生量が少ない場合、ジステンパーなどの感染症に伴って起こる場合の他、老化などがあります。
猫にもありますが、犬の方に多く発生します。 目の表面、黒目が何となく光沢がなく濁ってきたり、粘稠(ねんちゅう)な目ヤニがいつも出ている場合は、ドライアイの徴候です。

症状の起きやすい犬種
アケリー・ブル・テリア、シーズー、ミニチュアシュナウザー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

眼瞼内反症
<原因>
先天性、重度の結膜炎、外傷によるまぶたの変形まつ毛やまぶたの外側の皮膚が眼球に触れてしまう病気。

眼瞼炎
<原因>
細菌感染、アレルギー、角膜炎、結膜炎、流涙症などまぶたやまぶたの周りが赤く腫れます。かゆみと痛みを伴う病気です。

眼瞼外反症
<原因>
結膜炎の影響、外傷による顔面神経マヒ下まぶたが外側にめくれてしまう病気です。 本来外の空気に触れない部分が空気に触れ、引き起こされる病気です。

■日常のお手入れで病気を未然に防ぎましょう。
目の周りを清潔に保つ
通常は、乾いた布やコットンで目の周りを優しく拭いてあげましょう。

目やにが多い場合:ぬるま湯か、刺激の少ない生理食塩水で布やコットンをぬらして、優しく拭いてあげましょう。

涙が多い場合:目頭を中心に軽く押さえて、拭き取りましょう。

被毛が長い場合:目にかからないようにブラッシングし、目の周りの毛を短くカットしましょう。

■眼疾患になりやすい犬種
目が大きく、鼻が短い犬種
<起こりがちな病気>結膜炎、流涙炎
チワワ、プードル、シーズー、ヨークシャーテリア、ペキニーズ、マルチーズ、狆、ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、パグなど

下まぶたが下がっている犬種
<起こりがちな病気>結膜炎、眼瞼外反症
セントバーナード、コッカースパニエル、バセットハウンドなど

※参考資料
・「症状と病名でひける愛犬の病気事典」(成美堂出版)
・「もっとくわしいイヌ病気百科」(学習研究社)
・「しぐさでわかる愛犬の健康と病気」(主婦と生活社)