飼い主さんから寄せられる“犬の問題行動”の中に、“無駄吠え”が多く上げられます。「近所迷惑だから」とか「うるさい」からとか。でも、なんでそんなに犬は頻繁に吠えるのでしょうか。
犬は“聴覚”と“嗅覚”に優れ、それを周囲の状況を知るための手段としています。つまり、音を「周囲の状況を知るための重要な情報源」として活用し、それに対して“反応=吠える”をしているのです。

「○○子さん!」「なんですか?」
「ピーポーピーポー」「ワウォ~ン」

そう考えると、“吠える”のは人間の“しゃべる”ことと同じだと考えられませんか?

■犬は“音”から“周囲の状況”を把握しているのです。

〈あなたの犬が一番好む“音”はどういったものですか?〉

 スナック菓子の袋の音
 
スーパーの買い物袋の音
 
散歩用のシャベルから聞こえるカチャカチャする音
 
フードボウルにご飯を入れている音
 
犬用缶詰の蓋を開ける音

このような種類の音ではないですか?犬は“この種類の音”が聞こえると、“うれしいこと”が起こると判断しているのです。
食べることにまつわる音ばかりなのは、野生の犬が獲物の足音を聞き逃さないのと同じで、生き残るために“食べる”ことへの本能的な反応なのです。

〈一方、嫌う“音”はどういったものですか?〉

 花火の大きな音
 
救急車や消防自動車のサイレンの音
 

 
他の犬が吠える
 
チャイムの音

このような種類の音に反応しませんか?これも犬が自分の身を守るための本能的な反応なのです。
『花火の音に驚いて、うちの犬が逃げた』ということを良く耳にします。
これは、情報源から本能的に起こした行動ですが、本当の理由等知る訳がありません。ご自身の犬を守るためにも、飼い主さんが注意を計らなければならない点です。

■“吠える”ことは当たり前のことなんです。
『さ~おや~、竿竹~。』
『ウウウウォウオウオ~ン』
『ピーポーピーポー』
『フウォウォウォウォ~』

これは、オオカミの血を受け継いだ“犬の性”なんです。遠吠えをする子は、特にこの“性”が強く残ったことが理由の一つだと考えられます。オオカミの遠吠えは、仲間に自分のいる場所を知らせたり、他の群れに対して自分の縄張りを主張したりするために行います。だから、犬が拡張器の声やサイレンに反応するのは、“遠くから聞こえてくる仲間の遠吠え”に反応しているのと同じなのです。
つまり、野生動物だった時代の本能が、サイレンの音や拡声器の声で呼び覚まされるわけです。家庭で飼われている犬の“遠吠え”には、あまり実用的な価値はほとんどありません。しかし、このような“習性”を根強く持ち合わせた犬にしてみれば、『うるさい!!』と言って叱られても、なんで自分は叱られているのだろう?って思ってしまいますよね。
飼い主さんが“無駄吠え”に対して“ストレス”を抱えるように、犬も“なんで吠えちゃだめなの”に対して“ストレス”を抱えます。
周囲の状況を犬よりもきちんと判断できる飼い主さんが、“吠える”ことに対しての“理由”をきちんと把握してあげれば、お互いのストレスも減るものです。

■しつけをする時のワンポイント
犬が“音”から状況を判断することは、すでにお話したと思いますが、これが“しつけ”に活用できるのです。
犬が怒った時は“低い声”で『ウ~』って唸りますよね。
その反対に、甘えた時は“高い声”で『クンクン』って鳴きますよね。
その習性を、飼い主が犬とコミュニケーションを取る時に利用すれば有効的な手段となるのです。
『ダメッ』っと叱る時は、極力低い声で。
『グッド~』って褒める時は、叱る時に比べて高い声で。
特に意識しなくても、感情は声の質に影響しますが、女の人は怒る時でも高い声が出てしまうので、これは注意しないといけませんね。